警備契約締結の前後に必要な交付書面(前後書面)

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警備業者が依頼者と、警備業務の契約を締結しようとするとき、また警備契約の締結をした時には、それぞれ定められた事項を記載した書面を、依頼者に交付しなければなりません。(警備業法第19条(書面の交付))

書面を交付する際は、依頼者に当該書面を十分に読むよう告げて交付する方法、その他依頼者が確実に当該書面の記載内容を確認できる方法によって交付しなければいけません。

一般的には契約前書面には、依頼先へ交付するとともに、担当者から確認の記名押印をして会社の控えとして保管するという形になります。

書面を交付する方法としては、メールで依頼者に送付したり、警備会社のHPからダウンロードしてもらう等の必ずしも紙でやり取りをしなければいけないということでもありません。

なぜ前後書面は立入検査で最も指摘されやすいのか

警察の立入検査において、前後書面は最も不備を指摘されやすい書類の一つです。その最大の理由は、書類の複雑さではなく「交付の失念」にあります。
新規契約の締結直後は、人員の手配、警備計画の策定、現場への配置指示など、実務の立ち上げに担当者の意識が集中します。その結果、法定書類である前後書面の作成・交付が意識の彼方に追いやられ、結果的に「事後作成」や「日付の矛盾」といった重大な業法違反を引き起こすケースが後を絶ちません。

交付漏れを防ぐための管理体制構築

この「失念」を防ぐためには、担当者の記憶や個人の注意力に依存する運用を脱却する必要があります。
実務の進行と書類の交付を強制的に連動させる仕組みが必要です。「前後書面の控え(顧客の受領印済み)が管理部門に提出されなければ、現場への人員配置(シフト入力)を許可しない」といった、物理的・システム的な制限を設けることで、立入検査における指導リスクを根本から排除することが可能になります。

日付の矛盾を防ぐ確実な交付フロー

書類の交付漏れと日付の逆転を防ぐためには、以下のフローを全営業担当者に徹底させます。

  • 手順1:見積り提出時(契約前書面のセット交付) 見積書や提案書を顧客に提示する段階で、必ず「契約前書面」をクリップ留め等のセットにして交付し、その場で受領印を確保します。契約が決まってから作成するのではなく、提案段階での交付をルール化します。
  • 手順2:契約締結時(契約後書面の交付) 顧客から正式に発注を受け、契約書を取り交わすタイミングで「契約後書面」を交付します。
  • 手順3:管理部門による時系列監査(業務開始前) 現場へ人員を配置する前に、管理部門が「1. 契約前書面の交付日」「2. 契約締結日」「3. 契約後書面の交付日」「4. 業務開始日」の4点の日付を確認します。この時系列に矛盾(例:契約後書面の日付が業務開始日より後になっている等)がある場合は、書類を突き返し、是正されるまで現場手配をストップさせます。

記載すべき事項

契約前書面に記載すべき事項に関しては、警備業法施行規則第33条に定められています。

各業務ごとに記載事項が微妙に変わりますので、詳細を確認したい方は、警備業法施行規則第33条(書面の交付)をご参照ください。

また、契約後書面記載すべき事項に関しては、警備業法第19条(書面の交付)第2項と警備業法施行規則第34条に定められています。

書式

あらかじめ定められた書式というものはなく、なおかつ必ずしも1枚の用紙にまとめる必要はありません。

交付すべき項目さえ満たせば、見積書、警備計画書、パンフレット等を活用しても、交付したとみなされます。

ここでは一般的に使用されている、用紙1枚に必要項目がすべて記載されている書式を紹介しておきます。

記載例

参考に1号業務と2号業務における記載例を紹介しておきます。

第1号業務
第2号業務

契約前書面と契約後書面

契約前と契約後にそれぞれ書面を交付しなければいけませんが、基本的には同じ内容を記載した書面を交付してもらえば問題ないかと思います。

気をつけなければいけないのは、それぞれの書類がきちんと契約前と後に交付されているのか、日付をきちんと記載することです。

交付した書面の控えは必ず会社で保管しておくようにしましょう。

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