警備業務とは何か?その定義と歴史、そして社会における役割

教育・実技

警備員として働く上で、まず最初に理解しておかなければならないのが「警備業とは何か」という定義です。 単に「立っているだけの仕事」ではありません。法律に基づき、社会の安全を守る重要な「サービス業」です。

この記事では、警備業務の法的な定義から、その歴史、そしてこれからの社会で求められる役割について解説します。

1. 「警備業務」の定義

警備業法では、警備業務について次のように定義されています。

「他人の需要に応じて、人の生命、身体、財産等に対する侵害の発生を警戒し、防止する業務」

少し難しい言葉ですが、ポイントは以下の2点です。

  • 他人の需要に応じて(依頼されて) 警察官のように法的な権限を行使して動くのではなく、あくまで「契約」に基づき、クライアント(依頼者)から報酬を受け取って行う「サービス業」であるということです。
  • 侵害の発生を警戒し、防止する 事件や事故が起きてから犯人を捕まえること(捜査)が目的ではありません。何も起きないように見守り、未然に防ぐこと(予防)が最大の使命です。

2. 警備業の歴史と発展

日本の警備業が広く社会に認知されるきっかけとなったのは、昭和39年(1964年)の東京オリンピックです。 選手村の警備を民間警備会社が担当し、無事故で完遂したことが「民間でも安全を守れる」という実績となり、今日の警備業の礎となりました。

高度経済成長期の拡大 その後、日本が高度経済成長期に入ると、企業は「合理化」を進め、自社で守衛を雇うよりも専門の警備会社に委託(アウトソーシング)する流れが加速しました。 これに伴い、施設警備だけでなく、工事現場での交通誘導、現金輸送、ボディーガードなど、活躍の場は急速に広がっていきました。

「安全産業」としての定着 近年では、エレクトロニクス技術を導入した「機械警備」も普及し、質・量ともに大きな発展を遂げています。今や警備業は、警察・消防と並び、国民の生活基盤を支える「生活安全産業」として完全に定着しています。

3. これからの警備業の役割

今後、警備業はますます重要な役割を担うことになります。その背景には、以下のような社会の変化があります。

  • 社会構造の複雑化: 空港や原子力発電所などの重要インフラ警備、サイバーセキュリティなど、守るべき対象が多様化しています。
  • 地域コミュニティの変化: 都市化により「近所の目」が少なくなった現代では、地域の防犯機能が低下しています。その隙間を埋め、街全体の安全を維持する存在として、警備員の「人の目」が求められています。

結論:社会になくてはならない仕事 「水と安全はタダ」と言われた日本は過去のものです。 安全への意識が高まる中で、私たち警備員は、プロフェッショナルとして「安心」を提供する社会のインフラそのものなのです。

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