鍵等の取扱要領
「施錠」とは、鍵によって場がロックされた状態をいいます。
警備員の仕事の中のひとつに鍵の施錠業務がありますが、施錠を確認するということは、単に外見上鍵のかかっている状態を視認することではありません。侵入者が外部から操作すると考えられる力に対して、十分に耐えうる状態であるかをチェックすることです。
外部からの侵入を防止する手段の第一は、扉、窓、シャッターなどが完全な施錠された状態を保つことです。したがって、警備員が巡回などをする際に施錠の確認をするのは、外部からの侵入を防止するうえでは重要事項のひとつと言えます。
このページでは、施錠時の注意事項や、鍵の保管方法等についてご紹介させていただきます。
鍵を施錠する際の注意事項
巡回時に、施錠業務を行う際には次の事柄に注意しましょう。
- 鍵によって施錠することが施設警備業務における物理的防御の基本であることから、施錠されたまたは施錠すべき物件、区画、部屋等に出入りする際は、その都度必ず施錠しましょう。
- 警備員が巡回業務などにおいて鍵を使用して扉を開ける際には、自分が鍵を操作する以前の状態が施錠状態にあったことを確認してから鍵を使用しましょう。
- 鍵をを使用して施錠した際には、必ずドアノブを手で回して、施錠されていることを確認しましょう。
- ドアノブやレバーハンドルを力まかせに動かして施錠状態を確認するのは、鍵の故障や建てつけ等の不良原因につながるので注意しましょう。
- 鍵は必ず鍵穴の奥までしっかり差し込んでから回さないと、鍵が破損する可能性があるので注意しましょう。
- マスターキーは特に刻みが深いので、無理に鍵を回したりしないようにしましょう。
鍵の保管と携帯
現場によっては鍵の保管や管理も業務のひとつになっている場合もあります。また、多くの現場では巡回時には鍵を携帯して、施錠や解錠業務を行うことになります。
業務中万が一鍵を紛失してしまったり、盗まれるようなことがあったら、大変なことになります。鍵を持っているということは、その施設の機密、財産を持っているに等しい状態といえます。
適切に鍵を管理するための注意事項を紹介させていただきます。
鍵を管理する際の注意事項
- 鍵のネームプレートに、その鍵が使用されている直接的な名称(正面玄関入り口、社長室、金庫等)記入することは、万一、紛失したり、盗難に遭った場合、被害が必要以上に拡大する恐れがあります。警備員が使用する鍵には、記号やコード番号などを記入しておき、部外者が入手してもどこの鍵なのか判別できないようにしておくようにしておきましょう。
- 鍵を関係者に貸し出す場合はもちろん、警備員が巡回などのために携帯する場合であっても、鍵の授受簿などに日時、使用者の氏名、使用目的及び使用する鍵のコード番号などを記載して、鍵の所在が常時確認できる状態にしておきましょう。
- 貸出をする場合は、返却時間についても確実に管理し、複製の恐れがあることを考え、退出等する場合はその都度返却を徹底した管理をしましょう。
- 上下番の交代時には、保管中及び貸出中のすべての鍵の確認を行い記録するようにしましょう。
- 定期的にすべての鍵の一斉点検を行い、数量、種類、破損の有無を確認するようにしましょう
- 契約先から新たに鍵を預かったりする場合は、必ず会社に連絡、報告するようにしましょう。
- マスターキーは預からないようにしたほうが、業務上のリスクが減り好ましいが、預からざるを得ない場合には細心の注意を払って管理する。
鍵を携帯する際の注意事項
- 鍵を携帯する際は、キーストラップや鎖にしっかりと結着させ、置き忘れ、落下による紛失、盗難などを防止するようにしましょう。
- 警備員が鍵を携帯する場合は、その時点の業務に必要な鍵だけを鍵保管庫から取り出し、相勤者と確認しあい、「鍵管理簿」に検印してもらいましょう。
- 使用を終えた鍵は、取り出した時と同様に相勤者と確認しあった後、その都度鍵保管庫に戻し、検印してもらいましょう。