警備員教育に「eラーニング」を活用
昨年8月の警備業法施行規則の一部改正により、警備員の法定教育に電気通信回線を使用する「eラーニング」が認められた。新型コロナウイルス感染症拡大を契機に、中堅企業はオンライン会議システムを利用した教育を、大手企業は自社開発システムを使った教育を始め、業務効率向上や教育の均一化に効果を上げている。全国警備業協会(中山泰男会長)は今年度中に、新任教育と現任教育に利用できるシステムの提供を始める予定だ。
「eラーニング」にはパソコンなどであらかじめ用意されたシステムを使って行う通信学習方式と、インターネット回線を用いたオンライン会議システムを利用した遠隔講義方式の2つがある。通信学習方式はシステム開発に手間と費用がかかるため資金がなければ難しく、遠隔講義方式はオンライン会議システムが身近なものでなかったため、この春までeラーニングに関心を寄せる警備会社は多くはなかった。
コロナ禍で
事情が変わったのはコロナ禍からだ。一箇所に大人数が集まる教育方式では感染症拡大の恐れがあることから難しくなったため、eラーニングに注目が集まるようになった。テレワークの普及にともなってオンライン会議システムが広く浸透したことも追い風だった。
シンコーハイウェイサービス(東京都八王子市、坂本健造代表取締役)を中核企業とするシンコーグループ4社(同社のほかにプロ・ワークス、シンコー警備保障、シンコーサービス)は、今年5月から合同でオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使った遠隔講義方式による法定新任教育を始めた。教育は2003年の警備業法施行規則改正で認められた、複数の警備業者が教育を共同で行うことができる組合により行うものだ。10月21日時点で約1000人が受講した。
同グループ各社は新任教育を法定下限20時間に対して30時間以上行っており、そのうち20時間でeラーニングを用いている。
グループでは4月初旬まで十分な感染対策を施した上で、従来形式の教育を行ってきたが、政府が4月7日に緊急事態宣言を発令したことから全ての教育を中止。担当者で話し合った結果、eラーニングでの教育を決めた。オンライン会議システムを採用したのは、「Zoom」が使えるパソコンとビデオカメラさえあれば即座に始めることができるからだ。
教育の企画を担当するシンコー警備保障(東京都新宿区、佐藤雅史社長)業務支援部教育研修課の安富恭正課長代理は、eラーニングの効果を感染対策のほかに、講師を務める指導教育責任者の業務効率向上にあると述べる。法定新任教育を行う拠点によっては従業員数が少ないため、これまでは講師はいったん講義を中断して来客や電話に対応することがあった。
警備保障タイムズより引用
コロナウイルスの影響もあって、昨年改正された教育時間の変更とともに認められた「eラーニング」が実際に活用され始めているようです。
今までは会社によっては入社時にわざわざ遠方の会社まで新任教育を受けに行かなきゃいけなかったりすることもあったかと思います。
eラーニングがより浸透していけば時間の効率化が図られ、会社にとっても教育を受ける警備員にとってもメリットがあるのではないでしょうか。
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