自己破産と復権
警備業法第3条の警備業を営んではいけない人、第14条の警備員になれない人の条件として、「破産者で(破産手続開始の決定を受けて)、復権を得ない者」という条件があります。
警備業に携わる人間なら頻繁にみる条件ですが、具体的に「破産して復権を得ない」とはどういう状態なのでしょうか?
そもそも「破産」するとどうなるのか、詳しくわからない人もいるかもしれません。
このページでは、まず「破産」とは何のか、さらに「復権を得ない」とはどういうことなのか、解説していきたいと思います。
破産とは
自己破産とは、借金などで経済的に立ちいかなくなった方が裁判所に申立を行って「免責許可」というものをもらうことで、養育費や税金などの非免責債権を除く、全ての借金をゼロにするという手続きのことを言います。
自己破産することによって生じるデメリット
借金が帳消しになる代わりにデメリットもいくつかあります。
- ローンを組んだり、クレジットカードが作れなくなる。
- 一部の限られた資産を残して、すべての資産が処分され、借金返済に充てられる。
- 破産手続開始決定を受けると、就ける職業に制限がかかる。
デメリットの一番下の項目が、警備業でいう「破産者で復権を得ない者」に該当し、警備員だけでなく、弁護士、建設業者、保険外交員など、様々な職業に就くことが出来なくなります。
復権とは
自己破産の申し立てをして、弁済能力がないと判断されれば、「破産手続開始決定」がなされ、破産手続きが開始されます。
この時点から、復権を得るまでが警備員として仕事をできない期間になります。
職業の制限だけでなく、居住制限や通信の秘密の制限(郵便物の転送)、などの面で制限がかけられます。
この様々な制限が解除された状態を、「復権」といいます。
どうすれば復権できるのか
復権には2種類の方法があります。「当然復権」と「申立復権」です。
難しい内容なので詳細は割愛しますが、破産手続き時に持っている財産を隠し、又は、お金に変えて費消するなど、破産者がきちんと借金を返さないような行動に出たりしない限りは、破産手続きが終了し、その段階で「復権」することが出来ます(当然復権)。
復権できるまでの期間
早ければ、3か月〜6か月程度で破産手続きが完了し復権できますが、場合によっては復権まで10年かかることもあるようです。
まとめ
条文としては把握していても、その文が何を意味しているのか、分からないままになっている方も多いんじゃないでしょうか?
この「破産と復権」に限らず、警備業法には似たようなものがたくさんあると思います。
今後も随時、わかりにくい条文等は解説していきたいと思います。
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