負傷者の救護

負傷者の救護

警備員の仕事をしている以上、事件や事故に遭遇する機会が一般人よりも多くなります。また、警備員がそのような状況に遭遇した場合には負傷者の救護など適切な措置をとることが求められます。

 

いつそういう状況に遭遇しても適切な対処ができるよう、救護に関する手順、基礎知識と注意事項について紹介していきたいと思います。

 

 

負傷者の状態の把握

 

負傷者に応急処置を行うためには、まずはその人の状態を把握することが大切です。把握するための手順と確認事項は以下の通りです。

 

  • 負傷者の性別、年齢(推定)
  • 負傷原因の聴取
  • 出血、呼吸の状態
  • その他損傷の程度
  • 反応、顔色、体温

 

応急処置を行う場合は水平に寝かせたうえで行うのが基本ですが、意識がある場合には本人が最も楽に感じる体位にしてあげることが大切です。また意識がない場合には回復体位にさせましょう。

 

回復体位の取り方

 

回復体位

 

  • 負傷者を横にして、自分の側の腕を自分のほうに開きます。
  • 負傷者のもう一方の手を腹部に乗せ、そのまま静かに引き起こします。
  • 負傷者の上になっている手をあごの下に入れ、頭を後ろにそらし、口を下に向けて気道を確保します。
  • 負傷者の上になっている足を益90度に曲げ、体を安定させます。

 

呼吸状態の確認

 

負傷者の胸のあたりを見ながら口元に頬を近づけ、目で胸が上下に動いているかを確認し、呼吸がはっきりしない場合は、鼻や口に手のひらを近づけて確認しましょう。吐き出す息が感じられない場合は、呼吸が停止してるとみなしてください。

 

反応の確認

 

一般に負傷者が危険な状態であるかどうかの第1要点は、反応の程度で判断されます。反応がない場合は頭部に損傷がある可能性があります。
反応の程度を判断するには次のような方法で行います。

 

  • 耳元で、負傷者の名前を呼んだり、話しかけながら、肩を軽くたたきましょう。むやみにゆすったりしてはいけません。
  • 刺激に敏感な体の部位(わきの下、大腿部の内側、足の裏等)を鉛筆などで軽く線を引くように触る。
  • 額の上に冷たいタオルを置き、目が開いたり、反応があるかを確認する。

 

AEDの活用

 

近年は様々な施設、会社にAEDが備え付けられています。
AEDは自動的に心電図を解析し、電気ショックを与える必要があるかどうかの判断をしてくれるので、医療知識のない一般人でも簡単に操作できるので、常日頃からAEDの位置や使い方を把握しておくとともに、もしもの時は積極的に活用しましょう。

 

 

救護をする上での注意事項

 

  • 屋外での応急処置は、利用できる資材に限りがあるので、付近にある機材を可能な限り活用しましょう。
  • 交通が混雑している場所では、二次災害から負傷者を護るためまずは安全な場所に搬送してしましょう。
  • 事故が起こるとやじ馬が集まり、余計な口出しをしてくる人も出てきますが、惑わされることなく応急処置を行いましょう。