施設警備業務とは

施設警備業務とは

施設警備業務とは、警備業法第2条第1項第1号で規定されているとおり、他人の需要に応じて、事務所、住宅、興行場、駐車場、遊園地等の施設における盗難や火災など各種の事故の発生を警戒し、防止する業務のことを言います。

 

警備業者及び警備員は、契約先業務の円滑な運営等に寄与することを目的として、これらの施設警備業務を実施していますが、警備対象の拡大に伴って、警備員が実施する業務の形成・内容等についてもその範囲が拡大し、現在では警備業法上の警備業務以外の業務も複雑に包含されているのが実態です。

 

警備業法では、警備業務対象施設として利用目的別に事務所等の5種類を例示として掲げていますが、現実にはこれら以外にも、百貨店等の大型店舗、商店等の小型店舗、大型複合ビル、学校、工場、倉庫、ホテル、地下商店街等、本当にさまざまな施設が警備業務の対象となっていて、それらの施設がそれぞれ全く異なった個性や特性を持っていて、施設警備の業務内容を複雑化させる要因となっています。

 

また、施設警備業務の中には、巡回警備業務、保安警備業務といった警備員を主体として実施する業務と、警備業務用機械装置(SECOMやアルソックのようなもの)を使用して行う機械警備業務の大きく2つの業務に分けられます。

 

さらに、業務の内容においても避難誘導等の防災警備業務に加えて、警報設備や防火設備等の点検、火気の使用取扱いの監視,点検、ガス漏れ確認等も実施しています。

 

また、駐車場管理業務の一環として、盗難防止や駐車場出入口での車の誘導といった本来の警備業務と併せて、 料金徴収等の業務を実施したり、興行場、遊園地等における施設では、出入管理や場内巡回と併せて、受付業務や案内業務等を実施したりする場合があるほか、ときには施設内において現金の輸送警備業務に携わることもあります。

 

このように、対象施設によって業務の実施形態が様々に変化する施設警備であるため、その業務を適正かつ効果的に行うに当たっては、関係法令や諸規則を遵守し、警備技術の習熟に努めることはもとより、施設の管理運営についてよく理解したうえで任務を遂行し、不測の事態には速やかに対応できるよう心掛けることが大切です。

 

施設警備業務に従事する警備員は、自らの制服そのものが当該施設の安全と秩序の象徴であることを自覚し、端正な服装、厳正な姿勢・態度で業務を行うことが、契約先の企業等のイメージアップ並びに関係者等の信頼確保につながることを強く認識する必要があります。

 

また、専門的知識及び能力を要し、かつ、 事故が発生した場合には、不特定又は多数の者の生命、身体又は財産に危険を生ずるおそれがある施設警備業務については、警備員等の検定等に関する規則によって特定の種別の警備業務として定められており、具体的には、空港、原子力発電所、その他の原子力関係施設等の施設とされています。

 

したがって、施設警備業務に従事する検定合格警備員は、一般の警備員以上にその業務の重要性を認識し、決して事故等を起こさないという信念を持って適正な業務の遂行に努めることが求めらることになります。