負傷者の搬送
負傷者の倒れている場所や状態が安全でない場合には、必要最小限の範囲で動かしたり、姿勢を直したりする必要があります。
負傷者を移動させる際は、相手の体に無理を与えない、出来るだけ体を水平に保つ、幹部に触れない、などに注意をする必要があります。
また、首や脊椎に負傷があると思われる場合には、医師が来るまで動かさないようにしましょう。
簡易担架による搬送
屋外で負傷者を搬送する方法として、コーンバーと毛布を活用した簡易担架を使用する方法があります。
簡易担架の作り方
- コーンバー2本と毛布1枚を用意する。
- 広げた毛布の3分の1のところにコーンバーを置き、それを包むように毛布を折る。
- 繰り返した毛布の先にもう1本のコーンバーを置き、それを包み込むようにして残りの毛布を折り返します。
肩を貸して歩かせる方法
この方法は、足または足首に軽い負傷をしている場合に移動させる際に適しています。
- 右足を負傷している場合、相手の右手首を自分の右手で握り、相手の右腕を自分の首にかけます。
- 自分の左手で相手の左腰やや上を抱きかかえましょう。
- 自分の左足を相手の両足の中間に入れます。
- 左肩を相手の肩下に深く差し入れ、相手を少し吊り上げます。
- 相手の右足を左のほうに抜いて、自分の左足の外側に出させ、負傷した足を使わせないようにして歩きましょう。
引きずる方法
体重の重い負傷者を、緊急のため移動させるには、直接引きずる方法と、毛布等を利用して引きずる方法があります。
直接引きずる方法@
- 仰向けの相手を頭のほうから接して、後ろから上半身を起こします。
- 脇の下から両手を差し入れて、相手の胸の中ほどで相手の両手首をつかみ、やや引き上げぎみにして引きずります。
直接引きずる方法A
狭い場所や火災等によって、煙が立ち込めてい状況のなかで倒れている人を搬送するのに適しています。
- 相手の胸の上に三角巾やひも、手ぬぐい、ネクタイ等を置き、相手の手首を組み合わせて固く結びます。
- 相手の手首を結んだ腕の輪の中に、顔を横にして入れた後、相手の上にまたがります。
- 両手を床にしっかり張って、相手の顔を持ち上げ四つん這いになって引きずります。
毛布を使って引きずる方法
- 相手を毛布の対角線上に仰向けに寝かせます。
- 毛布の下端を上に折り曲げ、左と右橋を相手にかけて包み、上端を持って引きずります。