遺失物(落とし物)の取り扱い方について
警備員の仕事のひとつとして遺失物(落とし物)の取り扱いがあります。
警備員にとって関係のある遺失物法に関しては、遺失物法、遺失物法(特例施設占有者)、遺失物法(その他)で紹介しているのでご覧ください。
このページでは具体的に警備がどう遺失物を取り扱うべきかご紹介したいと思います。
遺失物の取り扱い基本ルール
路上などの屋外で落とし物を拾った場合
1週間以内に近くの警察署、または交番に届けなければいけません。
駅や、店舗などの施設内で拾った場合
24時間以内に施設に届けなければいけません。
届け出を受けた施設占有者は1週間以内に警察署か交番に届けなければいけません。
報労金の取り扱い
落とし物を拾った人は落とし主に対して5%〜20%の報労金を請求する権利があります。
施設内での落とし物の場合は、拾った人と施設占有者で報労金を半々で分けることになります
警備員の遺失物の取り扱い方
施設警備員の場合
一番取り扱う機会の多いのは施設警備員だと思います。
警備員自身が拾った場合と、落とし物の届け出を受け取った場合に分けて説明します。
警備員自身が拾った場合
警備員が巡回中に拾った場合は特別な手続きはありません。
まずは拾った日時、場所、拾ったものの特徴など記録しましょう。
財布等の貴重品の場合は、後々トラブルになる可能性もありますので、中身を確認する場合は極力2人以上の人間で確認するようにしましょう。
施設によって落とし物管理する場所は決まっていると思いますので、所定の場所へ届けましょう。防災センター等の警備員が待機する場所で管理する場合は慎重に取り扱いましょう。
一般の方から届け出があった場合
一番慎重に取り扱いする必要があります。
まずは届け出た方から落とした場所、時間、物の特徴等を確認しましょう。
さらに財布等の貴重品の場合には必ず中身の確認は2人で行いましょう。
お金がいくら入っているか、カードの種類や枚数等細かく確認してください。
次の拾った方の氏名、連絡先を確認しましょう。拒否する方の場合は、連絡先が分からないと報労金を受け取る権利がなくなる旨を必ず伝えるようにしましょう。
教えてもらった氏名、連絡先は必ず慎重に取り扱いましょう。
施設警備員以外の警備員
施設警備員以外の警備員も落とし物を拾ったり、一般の人から届け出を受ける機会があります。
自分が拾った場合は、後日警察署等へ届け出すれば問題ないですが、厄介なのは一般の人が警備員のもとに届けに来た場合です。
原則は施設警備員以外の警備員は一般の人から届けられても受け取らない、が正解だと思います。
一般道で拾ったものの場合は、警察署に届け出するようにお願いしてください。たまたま施設の近辺で警備しているときに施設で落ちていた物を届けられた場合は施設のほうに届けるようにお願いしましょう。イベント会場等ではイベント本部や関係者に届けるように依頼してください。
絶対に受け取ってはいけないという話ではないですが、報労金の関係でトラブルになる可能性もありますし、手間も増えますし、何より基本受け取る理由がないというのが正直なところだと思います。
まとめ
落とし物の取り扱いというのは意外とシビアなものです、取り扱いに関しては明確にルール化してそのルールの通りに取り扱いましょう。
巡回中に落とし物なのか何なのか分からないものを見かける機会もたびたびあるかと思います。あいまいなものでも素通りすることなく落とし物としてちゃんと取り扱うことが警備員の仕事として大事なことだと思います。
施設によってはその取扱いがあいまいなところも正直あります。その場合は会社の管理担当者等に相談してルールを明確化してもらいましょう。
また、落とし物管理簿、管理表等も現場にない場合は会社で作成するなどして、現場の警備員さんが落とし物の取り扱い、管理をしやすい環境づくりをするようにしましょう。