雑踏警備業務とは

雑踏警備業務とは

「雑踏警備業務」とは、イベント会場や、コンサート、マラソン、野球やサッカー等の競技など、大勢の人間が集合する催しもの等の会場や、その周辺で、警備員が一般交遊に及ぼす様々さな支障を軽減するとともに、参集する多数の群衆の通行や観覧に際し、その秩序を維持し、人日音の安全を図り、負傷等の事故の発生や周辺交通の渋滞を未然に防止することを目的として、群衆の誘導・規制等の整理を行う業務をいいます。

 

博覧会や、催事等主催者は、当該事業等に関して、参集する群衆等に負傷者等の事故が生じることのないように、所要のあホン要因を配置するなどの措置を講じなければなりません。

 

しかし、ひとや車両等の誘導に関しては、主催者自らで整理員等を配置して行うよりも、専門の知識及び技能を有したプロの警備員に任せるほうが高水準の安全が確保されることから、その業務を警備業者に委託することが多いです。

 

警備業者が主催者から再自答の警備業務を委託された場合には、複数の警備員が警備部隊を編成し、主としてその部隊活動によって負傷等の事故の発生を警戒し、あるいは未然に防止する業務を行うこととなります。

 

このように、主催者等の業務の一部である保安業務を委託され、これを補完・代行する業務を雑踏警備業務といいます。

 

雑踏警備業務の意義

 

雑踏警備業務は、契約先の安全を守るばかりではなく、むしろ参集する多数の群衆を対象としています。

 

ひとたび警備業者や警備員または警備計画等のミスを原因とした事故が発生してしまうと、たとえそれがどんなに軽微な事故であっても、その解決や事故処理は複雑困難となるばかりではなく、社会に及ぼす影響も非常に大きいです。

 

有名な明石花火大会での歩道橋の事故などは最たる例と言えます。

 

2001年7月20日第32回明石市民夏まつり花火大会では、JR神戸線朝霧駅南側の歩道橋において、1m2あたり13人から15人という異常な混雑となったことから「群衆雪崩」が発生しました。死者11名(内訳:10歳未満9名・70歳以上2名)と重軽傷者247名を出す惨事となり、歩道橋の屋根上にまで上る人も続出しました。

 

発生した原因の一つは、警備業者の事前の打ち合わせ、準備が不十分であったとされています。

 

雑踏警備業務に従事する警備員は、関係の知識や能力に裏付けされた広場や規制等の警備技術をしっかり身につけておくとともに、規制等を受ける側の自発的な協力が得られるように、常時、感謝の気持ちと態度で接し、適正な業務に実施に当たることが大切です

 

 

また専門の知識及び能力を要し、かつ、事故が発生した場合には、不特定または多数の者の生命、身体または財産に危険を生ずるおそれのある雑踏警備業務については、一定の基準で検定合格警備員を配置し、当該警備業務を実施させなければいけません。

 

雑踏警備業務に従事する警備員は、一般の警備員以上にその業務の重要性を認識し、群衆の持つ性格や群集心理の特性を理解し、より高度な整理、誘導、広報等の技術を学び、対象となる人々の協力が得られるよう、基本に忠実で適正な警備を自信をもって遂行できるように努力する必要があります。