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遺失物法(その他)

特例施設占有者が物件の返還を行うときは、その物件の拾得者に対し、 返還を行う旨を通知する(拾得者の所在を知る場合に限る)とともに、 返還を受ける遺失者に対しては、物件の保管や提出にかかった費用及び 報労金を支払う義務がある旨を通知する必要があります。

 

報労金等に関する権利義務

 

報労金等に関する権利義務は、一般の場所で拾得した場合と施設内で拾得した場合、また、拾得した物件の性質によって差異があるので、取扱いには十分留意する必要があります。

 

一般の場所で拾得した場合

 

拾得した日から1週間以内(初日を算入しない(民法第140条)に遺失者に返還するか警察署長に提出しなければ、その物件の保管費、その他必要な費用及び報労金を受け取る権利及び所有権を取得する権利を失います(法第34条第2号)。

 

なお報労金は、当該物件の価格の5パーセント以上20パーセント以下に相当する額とされています(法第28条第1項)。

 

施設内で拾得した場合

 

  1. 拾得したときから24時間以内に施設占有者に交付しなければその物件の保管費、その他必要な費用及び報労金を受け取る権利及び所有権を取得する権利を失う(法第34条第3号)。
  2. なお、報労金は拾得者と施設占有者とが法定金額の2分の1ずつを請求することができます(法第28条第2項)。

     

  3. 物件の交付を受け、又は自ら物件を拾得した施設占有者は、交付を受け又は拾得した日から1週間以内に遺失者に返還するか警察署長に提出しなければ、その物件の保管費、その他必要な費用及び報労金を 受け取る権利及び所有権を取得する権利を失います(法第34条第4号)。

 

報労金等の請求権の消滅

 

拾得した物件の保管、提出等に要した費用や報労金については、物件を遺失者等に返還した後1か月を経過したときは請求権が消滅し、これを負担すべき者に対して請求することができません(法第29条)。

 

遺失者が判明しない物件については、警察署長又は第17条によって届け出た特例施設占有者が保管することとなる。保管の期間は警察署長が当該物件の公告を開始した日から3か月間 (埋蔵物にあっては6か月間) 行うが、この期間のうちに遺失者が現れなかった場合には、拾得者又は施設占有者が所有権を取得します。
ただし、当該権利取得の日から2か月以内に物件を引き取らなかったときは、その所有権を失います。

 

拾得届の受理要領

 

拾得物の届出を受けた場合には、まず拾得した場所を確認する。拾得した場所が一般の場所であれば、警察署や交番の場所を教え、自分で持って いくように教示することが望ましいです。これは拾得者としての権利を保護するためにも必要です。

 

拾得の場所が警備員の勤務する施設内である場合には、警備員は次の事項を確認する必要があります。

 

  1. 拾得の場所
  2. 拾得時刻
  3. 拾得者の氏名、連絡先
  4. 拾得物件の内容
  5. 権利放棄有無の確認

 

拾得の届けを受けた物件の内容を確認するときは、必ず複数の者が立会い、間違いがないようにします。
また、第三者に容易にその内容が漏れたり、 破損したりすることのないように注意しましょう。

 

遺失届けの受理要領

 

遺失者等から届出を受けたときは、あらかじめ警備計画書等で定められた手順に従い、速やかに遺失物取扱場所等へ届け出るよう教示しましょう。
また、キャッシュカードや運転免許証等のように、再交付申請等、早急 に対応する必要があるものについては銀行や警察等へ直ちに届け出るように助言することが望ましいです。

 

拾得物の返還

 

拾得した物件の保管中に、遺失した旨を申出る者がいた場合には、施設 占有者はその者が真の遺失者であることを確実に確認することが大切です。

 

確認すべき内容は、返還を求める者の氏名、当該物件の種類、特徴、遺失の日時、場所等で、物件については帳簿に記載された内容と照合しましょう。
施設に勤務する警備員は、これらの施設占有者の手続きを代行することになります。明らかに遺失者と判明した場合には、施設占有者に連絡する等、あらかじめ定められた処理要領にて返還等の対応をすることが必要です。