警察官職務執行法 第4条 (避難等の措置)
警察官は、人の生命若しくは身体に危険を及ぼし、又は財産に 重大な損害を及ぼす虞のある天災、事変、工作物の損壊、交通事故、 危険物の爆発、狂犬、奔馬の類等の出現、極端な雑踏等危険な事態が ある場合においては、その場に居合わせた者、その事物の管理者その 他関係者に必要な警告を発し、及び特に急を要する場合においては、 危害を受ける虞のある者に対し、その場の危害を避けしめるために必要な限度でこれを引き留め、若しくは避難させ、又はその場に居合わせた者、その事物の管理者その他関係者に対し、危害防止のため通常 必要と認められる措置をとることを命じ、又は自らその措置をとることができる。
本条は、警察官がとるべき避難等の措置を定めています。
用語の解説
- 「警告」・・・危険からの避難又は危険の防止について必要な予告又は 注意を与えること。
- 「特に急を要する場合」・・・危険な事態がある場合の中でも、現実に その危険が一段と切迫してきた状態をいい、もはや警告の手段では危害を避けることができないような場合。
- 「引き留め」・・危険な場所に入らないように抑止すること。
- 「避難」・・・危険な場所から退去させること。
- 「通常必要と認められる措置」・・・社会通念上、危険防止のため通常 用いられる手段のことをいい、例えば、危険区域への立入りの禁止・制限、電車・自動車の停車、やじ馬の解散、劇場、競技場への入場禁止等がある。
警備員との違い、警備員のすべきこと
警備業務をしているときにも、上記のように人の生命身体、財産等に危機が差し迫ったときに警備員がそれを排除するということは、通常の警備業務の範疇に入ります。
ただ、あくまでも警備員というのは特別な権限は持ち合わせておらず警備員自身で対処できる範囲には限界があります。
最終的には警察官等に処理をゆだねる場合も少なくありません。
警備員のすべきことは、警察官の行う警告や避難誘導措置等の命令に従うとともに、できる限りこれに協力することです。
この義務は警備員に限定して課せられるものではないですが、人の生命、身体、財産等を危害から守ることを主な任務とする警備員は、十分にこれを理解することが重要なのです。
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