刑事訴訟法第217条(軽微事件と現行犯逮捕)
30万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律及び経済関係罰則の整備に関する法律の罪以外の罪については、当分の間、2万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪の現行犯については、犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある場合に限り、第213条から前条までの規定を適用する。
現行犯人といえども、一般的に30万円以下の罰金、拘留又は科料に当たる罪の場合においては、
- 犯人の住居若しくは氏名が明らかでないとき
- 犯人が逃亡するおそれがあるとき
以外は逮捕することができません。
これは軽微な犯罪の犯人の人権を擁護するためのものです。
用語解説
「住居が明らかでない」・・・住所不定ばかりではなく、定まった住居はあるが、逮捕時にそれを明らかにできない場合を含む。
「氏名が明らかでない」・・・犯人が氏名をいわない場合は もちろん、たとえ名乗ってもそれが本名であると信用できない場合も含む。
「第213条から前条までの規定」・・・
第二百十三条 現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。
第二百十四条 検察官、検察事務官及び司法警察職員以外の者は、現行犯人を逮捕したときは、直ちにこれを地方検察庁若しくは区検察庁の検察官又は司法警察職員に引き渡さなければならない。
第二百十五条 司法巡査は、現行犯人を受け取つたときは、速やかにこれを司法警察員に引致しなければならない。
○2 司法巡査は、犯人を受け取つた場合には、逮捕者の氏名、住居及び逮捕の事由を聴き取らなければならない。必要があるときは、逮捕者に対しともに官公署に行くことを求めることができる。
第二百十六条 現行犯人が逮捕された場合には、第百九十九条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。
軽微な犯罪とは
軽微な犯罪には、次のようなものがあります。
・騒乱付和随行(刑法第106条第3号、10万円以下の罰金)
・多衆不解散(首謀者を除く。) (同第107条、10万円以下の罰金)
・過失建造物等浸害(同第122条、20万円以下の罰金)
・過失往来危険 (同第129条第1項、30万円以下の罰金)
・変死者密葬(同第192条、10万円以下の罰金又は科料)
・過失傷害(同第209条、30万円以下の罰金又は科料)
・侮辱(同第231条、拘留又は科料)
・軽犯罪法に係る罪(拘留又は科料)
関連ページ
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