AEDの使い方
昨今、AEDはありとあらゆる施設の設置されるようになり、世間ので認知度は9割弱とかなり高い数値となっています。
しかしながらAEDの使用方法まで知っている人は3割程度しかいないようです。
警備員として仕事をしていく以上、倒れた人に出くわす可能性も一般の方よりはるかに高くなります。そういった時に適切な対処ができるようAEDの使用方法も熟知しておく必要があります。
このページではそもそもAEDとは何なのか、どういった状況の時に使用する必要があるのか、AEDの使用方法等について紹介しています。
AEDとは
AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。
なぜAEDが必要なのか
除細動(心臓が正常に戻る)までの時間が1分経過するごとに、生存率は約7〜10%低下するそうです。
また、心臓が血液を送らなくなると、3〜4分以上で脳の回復が困難になるとわれています。
日本では、救急車の到着まで平均約8.6分です。
AEDを用いて電気ショックが行われれば、約6倍の人の命が救えます。
救急車の到着を待っているだけではなく、傷病者の近くにいる私たち一般市民が一刻も早くAEDを使用して電気ショックをできるだけ早く行うことが重要になります。
いつAEDを使えばいいのか
AEDを使用してよい場合は、「意識(反応)がない場合」、そして「正常に呼吸していない場合」です。
これに対し使ってはいけない場合(禁忌)には、「意識がある場合」「呼吸している場合」「脈拍が確認できる場合」です。すなわち心停止に至っていない場合には使用してはいけません。
AEDの使用までの流れ
AEDを使用するまでの流れを説明していきます。
倒れている人を発見したら
警備中に倒れている人を発見したら、まず意識があるのかどうかの確認をします。
肩を軽くたたきながら「大丈夫ですか?」と大声で呼びかけても意識がなければ応援を呼び、周囲の人に119番とAEDの手配をお願いします。
呼吸があるかの確認
胸と腹部の動きを10秒以内で判断します。
普段どおりの呼吸でなければ“呼吸なし”と判断します。
しゃくり上げるような不規則な呼吸が見られる場合も“呼吸なし”と同じ扱いにしてください。これは“死戦期呼吸”と呼ばれ、心停止のサインのひとつです。
また、呼吸があるかの判断がつかない場合は”呼吸なし”として対処していきましょう。
胸骨圧迫を行う
AEDが到着するまでは胸骨圧迫を行います。
ひじを伸ばし、垂直に体重をかけ、成人は深さ約5cm、小児は胸の厚さの約1/3胸が沈みこむように、1分間に100〜120回のテンポで強く速く胸を押します。(AEDが到着するまで)。
胸を完全に元の位置に戻すために、圧迫と圧迫の間に胸壁に力がかからないようにします。
AEDを装着する
AEDが到着したら、AEDを装着、使用します。
AEDの使用方法
電源を入れる
まず、電源ボタンを押して電源を入れます。(フタを開けると自動的に電源が入るタイプもあります。)
すると、スピーカーから音声ガイドが流れます。
除細動パッドを貼る
緑のつまみを引いてパッドの袋を引き出し、袋からパッドを取り出します。青い矢印を引き、パッドから裏のシートをはがして、除細動パッドをパッドのイラストのとおり右胸と左わき腹に貼ります。
電気ショックが必要かどうかは、AEDが判断します。音声ガイドに従って、胸骨圧迫も続けてください。
ショックボタンを押す
電気ショックが必要と判断された場合は、
「電気ショックが必要です。体から離れてください」「オレンジ色のショックボタンを押してください」
と音声ガイドが流れますので、それに従って「ショックボタン」を押してください。その後も、音声ガイドに従って胸骨圧迫を続けてください。
電気ショックが必要ないと判断された場合、ショックボタンを押しても放電されません。
救急隊が到着するまで電源は切らず、除細動パッドは付けたままにしましょう。