警備業法等の解釈運用基準 第33 指示(法第48条関係)
1 総説
公安委員会は、その管轄区域内はもとより、管轄区域外で警備業者又はその警備員が違反行為をした場合でも、自らの管轄区域内における警備業務の適正な実施が害されるおそれがあると認められるときは、指示をすることができる。また、二以上の都道府県の区域内における警備業務に係る営業を行っている場合には、A公安委員会が警備業者に対し指示をすることで違反状態の解消等がされ、その結果として、当該警備業者がB公安委員会の管轄区域内で行う警備業務の実施の適正が図られるなど、同一又は重複する内容の指示を複数の公安委員会が行い得ることが十分あり得るところである。
そこで、このような指示については、違反行為に係る事実を十分に把握して最も適切に判断できると認められる公安委員会が行うべきであるから、原則として、違反行為が行われた場所を管轄する公安委員会が行うものとする。この場合において、指示を行う公安委員会は、自らの管轄区域内における警備業務の実施の適正を確保することが、他の公安委員会の管轄区域内における警備業務の適正化にも同時に資するよう、指示の内容を工夫することが望ましい。
なお、個別具体の事情により、違反行為が行われた場所を管轄する公安委員会による指示のみでは、自らの管轄区域内における警備業務の実施の適正が確保されないと認める公安委員会は、更に必要な措置を執るべき旨の指示をするものとする。
2 指示の要件
(1) 法第43条の規定に基づく都道府県公安委員会規則で定める基準に適合しない場合は、同条の規定の違反になり、「この法律」に違反したという要件を満たすことに留意すること。
(2) 法第48条中「警備業務の適正な実施が害されるおそれがあると認められるとき」とは、法令違反の状態が現存している場合のほか、その違反の状態は、現存していないが、その違反の原因となった事由が存続しており、その違反が偶然的なものではなく、繰り返されるおそれがあるような場合をいう。
3 指示の内容
指示の内容は、当該警備員を警備員以外の職に配置換えをすることが上限であり、役員の解任や警備員の解雇は、含まれない。
また、指示の内容は、違反状態の解消のための措置、履行されなかった義務に替わる措置、将来の違反の防止のための措置等を具体的に定めることが必要であり、例えば、単に「今後は法第○条の規定を確実に遵守すること。」というような指示は、望ましくない。
4 指示の手続
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