警備業今年のニュース2020
今年も残すところあと1週間となりました。
今年はコロナウイルスの影響で、今までの生活習慣や崩れ去り、新しい生活様式が求められる年となりました。
警備業でもコロナウイルスの影響を大きく受け、様々な出来事があったかと思います。
警備保障タイムズでも今年を振り返った記事が掲載されていましたので、それを元に今年1年、警備業にどんな出来事があったのか振り返ってみたいと思います。
「オリンピック」1年後に延期
オリンピック・パラリンピックは仕切り直し――。新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を受け、国際オリンピック委員会と大会組織委員会は3月24日、大会の1年延期を決めた。五輪の延期は史上初。3月26日からスタートする予定の全国を巡る聖火リレーも延期となった。
警備保障タイムズより引用
まずは今年の一番のイベントであったはずのオリンピック開催延期です。
記事にもありますが、本来であれば、1日最大14,000人もの警備員の確保の必要があったにもかかわらずすべてなしになってしまうという事態になってしまいました。
一応1年の延期となっていますが、来年開催される保証もまったくありませんし、警備業に大きなダメージを与える出来事でした。
イベント中止、企業経営に打撃
政府は2月26日、大規模なスポーツ大会や文化イベントなどを中止・延期または規模縮小するよう要請した。選抜高校野球大会や東京ドームでのコンサートから卒業式・入学式まで、規模を問わず多くの催しが中止となった。イベント警備業務を手掛ける多くの企業は春に予定さしていた仕事が軒並みキャンセルとなり、経営に打撃を受けた。
4月7日の緊急事態宣言の発令による店舗の休業や航空の減便と運休もあり、影響は施設や航空保安の警備にも及んだ。
上場している警備会社の2021年3月期第2四半期決算は6社中4社が減収となった。通期でも3社が売上減を予想している。
警備保障タイムズより引用
こちらも同様にコロナウイルス関連の出来事です。今年はオリンピック以外のイベント警備等も軒並み中止となり、緊急事態宣言時は店舗や空港等も閉鎖となってしまい大きなダメージを受けた警備会社もあるでしょう。
現段階でも、従来通りに戻っていない現場もあるでしょうし、オリンピック同様問題解決にはまだまだ時間がかかりそうです。
全警協が感染防止ガイドライン策定
全国警備業協会は警備業の「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を作成、5月14日に都道府県警備業協会に通知した。国の緊急事態宣言時に社会活動維持に不可欠な事業者として挙げられており、事業継続を確保するために行うべきことを列記している。「出勤前に体温や症状の有無を確認させる」「警備員の巡回および現場の対応時は手袋を装着する」などだ。
5月29日にはガイドラインを改訂。夏期の気温・湿度が高い中では熱中症のリスクが高いことから、屋外で少なくとも2メートル以上の対人距離が確保できる場合にはマスクを外すことを認めた。契約先関係者にもマスク不着用の理解を得られるよう努めることを求めた。
警備保障タイムズより引用
コロナウイルス感染防止としてガイドラインも策定されました。ガイドラインが策定されるまでは、どこまで気をつけたらいいのかわからない面もありましたが、ある一定の基準を定められたことで、日常の警備の指導等に役立てられました。
聖火リレー警備、キャンセル料確保
オリンピック延期に伴い中止された聖火リレーの警備業務では、キャンセル料を確保できた例もあった。
長野県警備業協会(竹花長雅会長)が窓口となって県から受注した業務では、元請け企業は警備員人件費の80パーセント(2627万円)を請求。契約書にキャンセル時の料金取り決めは記載されていなかったが、中止決定の連絡から業務開始まで10日を切っていたことから県は請求額を支払った。
岐阜県警備業協会(幾田弘文会長)を窓口にした受注では、見積書の記載に基づいて警備料金の50パーセントを県に請求し受領した。
警備保障タイムズより引用
公共工事労務単価、平均2万円越える
国土交通省が2月14日に発表した2020年度の「公共工事設計労務単価」は、全国全職種の平均単価が初めて2万円の大台を突破し2万214円となった、平均伸び率は2・5パーセントだった。
警備業は、交通誘導警備業務の1級または2級の検定合格警備員「交通誘導警備員A」が前年度比2・4パーセント増。地域や標本数などを加味した加重平均の単価は1万4053円(371円増)。「交通誘導警備員B」は同2・2パーセント増。加重平均単価は1万2321円(323円増)となった。警備業の伸び率は、A・Bともに全職種平均を下回った。
年々警備員の労務単価が上がってはいますが、警備員の地位向上には程遠いように感じます。
伸び率も全業種を下回っており、こんな状態ではいつまでたっても警備業界の人手不足は解消されない気がします。
全警協が成長戦略アクションプラン
全国警備業協会(中山泰男会長)は6月、警備業が未来に向け、健全に発展するための取り組みを議論する「基本問題諮問委員会(成長戦略を検討する委員会)」を立ち上げた。
メンバーは全国から選ばれた14人。検討するテーマは、「外国人雇用の在り方」「ICT(情報通信技術)などテクノロジーの活用」「成長戦略に役立てる警備業法の見直し」「単価の引き上げ策と経営基盤の強化」「災害時における役割の明確化」だ。
警備保障タイムズより引用
「働き方改革」進む、最高裁が新判断
「働き方改革関連法」の長時間労働規制が、昨年の大企業に続いて4月から中小企業にも適用された。時間外労働は原則45時間、年間360時間内となった。警備員の長時間の“残業”に頼っていた警備会社は人材採用や業務シフト見直しなどを迫られた。
「同一労働同一賃金」は今年4月の大企業への適用に続いて、来年からは中小企業にも適用される。最高裁判所は10月、非正規社員が正社員との待遇差は不合理だと訴えた5つの訴訟で判決を出し、各種手当については「正社員との格差は不合理で違法」と判断。待遇差是正への早急な対応が求められる。
働き方改革も、警備業にとっては大きな課題と言えます。
労働者の待遇改善は急務である反面、業務に見合った警備料金がもらえるようにならない限り、いつまでたっても改善できないのではないでしょうか。
まとめ
以上、今年の警備業関連ニュースについて振り返ってみました。
多くはコロナウイルスに関連した出来事で、警備業界としては足踏みをしてしまった年になってしまったのではないでしょうか?
まだしばらくはコロナウイルスの影響を大きく受けつつも、合わせながら仕事をしていかなければいけません。
来年は警備業界にとっていい年であることを願っています。
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